【開催報告】『戦没者慰霊碑巡り』の著者にきく〜レイテ島・ルソン島〜
これまで『継承カフェ』を中心に戦争を体験していない若い世代にどのように戦争体験の継承をしていくべきかという趣旨のもと、イベントを行ってきましたが
去る2021年10月17日、また違った角度から『戦争』について活動をされている方をお招きして開催しました。
今回のイベントは、フィリピンを中心に海外の慰霊碑を巡っている山上貴広(やまかみたかひろ)さんに、レイテ島・ルソン島で起こった戦争と慰霊碑についてを中心に語っていただきました。
前半のレイテ島では、まず写真とともに地理説明を交えながら、この地で8万人もの戦死者を出したレイテ島の悲惨な当時の戦闘状況を語っていただきました。戦闘状況では特に激戦地であったリモン峠や日本軍の自活戦闘(自分で武器や食事を準備して戦えという意)が行われたカンギポット山周辺など、細かな戦闘経過記録を紹介して頂きました。また、レイテ島には多くの日本軍慰霊碑が残されており、現地に行かれた山上さんならではの豆知識を交えて紹介して頂き、圧巻の内容でした。
〈後半〉ルソン島の戦いと慰霊碑
後半のルソン島もレイテ島同様に説明して頂きましたが、こちらでは現存する慰霊碑や博物館などの現状を中心にお話ししていただきました。ルソン島にある慰霊碑などは1970年代に慰霊巡拝団が盛んに訪れていたということでしたが、年々その巡拝者数も激減。どんどん廃れていき、現在では3分の1程度しか残されていません。こうした現状の中で慰霊碑は残すか残さないか、残していくにはどうしたら良いのか、問題提起をして頂きました。
山上さんのお話しに対する質問・感想
・戦車に爆弾を抱えて自爆する戦い方もあるのですね。そして、現地の住人の方が管理してくれている小さな慰霊碑があるのも知らなかったです。
・「慰霊碑を訪れる日本人がほとんどいないこと」、「慰霊碑が埋設される」との情報にはショックを受けました。しかし、山上さんのおっしゃる通り現地の方の生活もありますし、仕方のないことだと思います。なるべく早く私も現地を訪れる必要があると強く感じました。
・慰霊碑という角度からの戦争の話は新鮮でした。
・フィリピン人側の被害についても聞いてみたかった。
・数値には、当時日本統治下にあった朝鮮半島出身者や台湾出身者なども含まれていたりするのか。
・慰霊碑の形状や表記の違い(漢字のみ・英文ありなど)は建立した人が決めていたりするのか。
など
全体を通して
今回のイベントには30名近くの参加がありました。20代から70代までの多様な世代の方々にご参加いただき、スタッフ一同感謝致しております。
また、アンケートでは90%の方が「満足した」「ある程度満足した」とご回答され、満足度の高いイベントとなりました。
全体の様子 |
history for peaceでは、今後も様々なイベントを開催していきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。