history for peace’s blog

このブログでは、history for peace がイベントのお知らせや活動報告を随時配信していきます。

名のない遺影〜南方に散った親族を探す旅〜後編

打川菊治さん、與市さん兄弟

 

太平洋戦争で戦死した二人の大伯父(打川菊治さん、與市さん)の軍歴証明書を取り寄せた工藤真利江さん(秋田県在住)。

菊治さんの記録は詳細だった。

1942(昭和17)年2月に現役兵として陸軍歩兵第117連隊の補充隊に入営し、その後、第36師団の第223連隊員として秋田を出発。門司港出帆、釜山港上陸、北支国境を通過後、第一機関銃中隊に配属。南方転進のため、翌年6月に山西省を出発し、第一歩兵砲中隊へ編入後、江蘇省を経て呉淞港出帆。

西部ニューギニア・サルミに上陸し、1944(昭和19)年6月28日、サルミ付近においてマラリア熱帯熱のため死亡(最終の階級は上等兵

 

菊治さんの軍歴証明書

 

太平洋戦争末期、第223連隊が送られたニューギニア・サルミ地区は1944(昭和19)年5月17日の米軍の上陸と共に激戦地となった。しかし、陸、空、制海権を連合国側に奪われた赤道直下のニューギニアでは物資の補給もままらなず、武器弾薬はもちろん、食料や水、薬も不足し、日本軍は戦闘による死者に加え、飢えや病による大量の戦病死者を出すこととなる。菊治さんもその一人だったのだろう。

 

ココナッツ農園を前進するアメリカ軍

 

 

さらに、靖国神社の祭神照会をしたところ、菊治さんはサルミの野戦病院に収容され、そこで亡くなったことが判明した。

 

マラリア熱帯熱のため、と病名まで記録が残っているとは思いませんでした。死亡率の高い感染症にも関わらず、病院に収容していただけたことは驚きましたし、ありがたいと思いました」と工藤さんは感慨深げに話す。

 

菊治さんのさらなる情報を求め、工藤さんは、長年、ニューギニアの遺骨収集を行っている太平洋戦史館(岩手県)も訪問した。

現地で回収された日本軍兵士の遺品を目にした工藤さんは「薬液が入ったままのガラスのアンプルに驚きました。そして、日本兵の遺骨は道路の下に踏み固められたままとの事実(館長の証言による)に胸が痛みました」と語った。

 

残念ながら、與市さんについては戦死時の情報しか記録が残されていなかった。

歩兵第17連隊員として1945(昭和20)年7月10日、フィリピン・ルソン島・マニラ東方40kmの地点で戦死。最終階級は陸軍伍長となっている。

戸籍謄本やその他の資料(ツバサ広業出版の秋田県大曲市・仙北郡戦歿者芳名録 : 満洲事変・支那事変・ノモンハン事件大東亜戦争など)からは、第三大隊・第二中隊に所属していたことが伺える程度である。

 

與市さんの軍歴証明書

 

工藤さんは「歩兵第17連隊」「ルソン島」というキーワードをもとに書籍を探し求め、秋田歩兵十七聯隊比島戦史(歩兵第十七聯隊比島会戦史編纂委員会)、南部呂宋戦記(佐藤康平)、南部呂宋戦の回想(高橋敬三)、歩兵第十七聯隊―秋田県の戦友1 写真集(ツバサ広業出版)、兵士たちの戦争⑤(NHK「戦争証言プロジェクト」)、フィリピンに消えた「秋田の軍隊」(長沼宗次)などを読み込んだ。

 

ルソン島の戦いは日本兵約20万人が戦死、戦病死した壮絶な戦闘である。連合軍の爆撃、戦車戦、銃撃戦だけでなく、ゲリラ兵となった現地民との死闘が繰り広げられ、日本兵は食料確保と持久戦のため、戦力を「尚武」「振武」「建武」の3集団に分けた防衛態勢に入り、追い詰められていった。

武器、弾薬も尽きかけ、飢餓と病に苛まれながら、民間人とゲリラ兵の区別もつかぬ中、ジャングルを彷徨った兵士たちの証言は、今もなお、筆舌に尽くしがたい。

 

バレテ峠を匍匐前進する米軍歩兵

與市さんの最期がどのようなものであったのか、工藤さんが参考にした書籍以外から、筆者も独自に調査してみた。

 

戦史叢書 第60巻 捷号陸軍作戦(2)―ルソン決戦―、第八章 振武集団のその後の作戦に「必勝山部隊は今や伊藤大隊(歩十七のⅢ長伊藤昌徳大尉指揮の大井2、江島9、混成清水中隊)のみである。」との記述がある。おそらく、これが與市さんが最後に所属していた歩兵第17連隊・第3大隊・第2中隊を指すと思われる。

さらに、第3大隊の足取りを追うと、アジア歴史資料センターの各資料(同時期の資料が複数あるが、今回は附図(振武集団兵力部署要図、他)を参照した)の野口兵団の編成に「歩兵第十七聯隊ノ第三大隊」の記載を発見した。なお、歩兵第17連隊の多くが所属していた藤兵団の編成には「歩兵第十七聯隊(第三大隊欠)」とある。

※野口兵団、藤兵団はともに振武集団の隷下。

 

筆者の推論ではあるが、時系列で考えると、與市さんはルソン島に上陸した後、振武集団直属の集団歩兵である歩兵第17連隊第3大隊(長、伊藤昌徳大尉)の所属となり、戦線の混乱に合わせて野口兵団に編成され、戦死したのではないだろうか。

野口兵団はマニラから見て東方にいた部隊であり、與市さんの戦死場所とも近い。

 

戦史叢書によると、野口兵団は昭和20年5月頃から武号転進作戦(食料問題解決のための転進作戦)に移行しており、與市さんが亡くなったとされる7月10日はマーマラクリークからバクンバヤンへ移動している最中だったようである。この時点で既に大量の餓死者と飢えによる戦病死者が出ているため、與市さんもそのうちの一人だった可能性が高い。

 

菊治さんの所属した歩兵第223連隊と與市さんの所属した歩兵第17連隊は、いずれも秋田の郷土部隊である。雪国で生まれ育った青年が、どちらも、日本から遠く離れた熱帯の国で戦闘に参加し、なかば餓死するような形で亡くなったことを思うと、現代を生きる私たちの胸にも迫るものがある。

 

雪部隊戦没者慰霊碑(秋田市日吉八幡神社
 

 

工藤さんは「まだまだ(足取りの調査など)やれることはたくさんある。今後、横須賀第一海兵団にいたと聞いている母方の祖父についても調べるつもりです。そして、いつか大伯父たちの亡くなった地を訪れたいと思います」と締めくくった。

 

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historyforpeacestaff.blogspot.com

 

➡︎参考

historyforpeacestaff.blogspot.com

 

※この記事はhistory for peaceのスタッフが工藤真利江さんへインタビューをし、掲載しています。画像等、無断での使用はご遠慮ください。

【参加者募集】『戦没者慰霊碑巡り』の著者にきく〜レイテ島・ルソン島〜

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太平洋戦争末期、フィリピン戦線に送られた日本兵は約53万人。うち、戦死、戦病死者は51万8千余(1975年推定数)にものぼります。

戦後、島内各地に戦友会や遺族により慰霊碑が建立されました。しかし、その多くが台風による破損・消失、または管理不十分のため、移設・埋設されており、年々数を減らしています。 

 

今回は、レイテ島を中心にフィリピンなど、海外の慰霊碑を巡っている山上貴広(やまかみたかひろ)さんに、現地の様子や慰霊碑の現状について語っていただきます。

現地を訪問する際のモデルコースなども紹介いただく予定ですので、レイテ島、ルソン島で戦没された方のご遺族や、将来、渡航を計画されている方など、少しでも興味のある方は、この機会にぜひ山上さんのお話しを聴いてみましょう。 

 

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元垣兵団歩兵第二十聯隊軍旗捧焼之地(山上貴広『戦没者慰霊碑巡り』より)
【開催概要】 
  • 日時:2021年10月17日(日)19:00~21:00

  • 場所:オンライン(Zoom)

  • 参加費:無料

  • 対象者:レイテ島・ルソン島の慰霊碑や、太平洋戦争、戦没者の慰霊に関心のある方

  • 定員:20名

  • 主催:history for peace

 

【お申し込以下のフォームからお申し込みをお願いします。

URL: https://forms.gle/uyQFWopTXxFU9HTg7

 

※お申し込み後、5分経っても自動返信メールが届かない場合は、 historyforpeace@gmail.com  までご連絡ください(icloud.comへは送信できない場合があります)

 

【参加方法】

(1)申し込み完了後、自動返信メールが届きます。

(2)当日、時間になりましたら、Zoom会議にご参加ください。(開始5分前より順次参加承認します)

 

【当日の内容】

(1)プレゼンターによるお話しを前半、後半に分けて聴きます(途中、休憩あり)

(2)プレゼンターへの質疑応答を行います。

(3)今後の慰霊碑のあり方や課題、その他感じたことを話し合います。

※閉会後、30分間程度フリートークの時間を設けますので、時間内に話しきれなかったこともぜひお話しください(参加、退出自由)

 

【プレゼンター紹介】

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山上貴広さん

山上 貴広(やまかみ たかひろ)

平成生まれの29歳。2016年よりライフワークとして、海外に建立された戦没者慰霊碑を巡る。

慰霊碑の現状や渡航に関する情報、旅の様子等をウェブサイト・SNSに投稿し、慰霊碑や戦跡への訪問手段を掲載したガイドブック『戦没者慰霊碑巡り』を執筆。フィリピン ・レイテ島滞在時は現地ガイドを行い、ご遺族・有志の方々を慰霊碑へ案内する。

 

<前半>レイテ島の戦いと慰霊碑

山上さんが慰霊碑を巡るようになったきっかけ、自己紹介の後、太平洋戦争時の日本とフィリピンの関係や歴史を説明いただきます。

その後、レイテ島の戦いについて、レイテ島に残る日本の慰霊碑について、山上さんが現地で撮影した写真やエピソードとともに紹介いただきます。

 

<後半>ルソン島の戦いと慰霊碑

ルソン島の戦いについて、ルソン島に残る日本の慰霊碑について説明いただきます。前半と同じく、現地の写真や山上さんが訪れた際のエピソードを紹介いただきます。

海外、特にフィリピンに多数残る日本の慰霊碑の管理や問題、今後の課題、展望などもお話しいただく予定です。

 

質問は随時、historyforpeace@gmail.comにて受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。  

 

<申し込みフォーム>

URL: https://forms.gle/uyQFWopTXxFU9HTg7

 

【お問い合わせ】

history for peace E-mail: historyforpeace@gmail.com

【開催報告】継承カフェ 夏休み&終戦記念日スペシャル 〜身近な人の戦争体験をシェアしてみよう〜

戦後76年を迎えた現在、戦争体験者から直接お話しを聞く機会は年々減っています。
当事者がいなくなる日が近づいている今、戦争体験を継承していくために私たちにできることはなんでしょう?

history for peaceでは昨年から『継承カフェ』と題した、戦争を体験していない世代の継承活動を行っています。※過去のイベント詳細はこちらをご覧ください。

今回は、終戦記念日に合わせた特別版として、10〜20代の皆さんが聞いた(調べた)、ご家族の戦争体験をお聴きするイベントを開催しました!(2021年8月14日)
 

 


本イベントは「話し手」と「聞き手」、2回に分けて参加者を募集し、話し手に応募してくださった方には事前に、戦争体験を持つ方へのインタビューの仕方、スライドのまとめ方、皆さんの前での話し方などのテンプレートをご用意しました。

今回の話し手は3名。うち2名は、初めてご家族の戦争体験を詳しく聞き取りした学生さんでした。
 

〈1人目〉13歳の被爆体験〜祖母からの聞き取りでわかったこと〜

 
history for peaceのスタッフでもある大学生の金子桃子さん。広島での被爆体験を持つおばあさんに、この夏、初めて詳しくお話しを聴きました。
76年の時を経て語られた体験談の紹介だけでなく、聞き取りをしてみた率直な感想を含めた想いを話してくれました。
 

〈2人目〉父と永遠の別れになった満州からの引き揚げ〜祖母の体験した壮絶な終戦と戦後〜

 

高校生の篠永南紬海(なつみ)さん。幼少時に満州からの引き揚げを体験されたおばあさんの記憶と、ひいおばあさんから4代に渡って語り継がれた終戦〜戦後のお話しを紹介してくださいました。
おばあさんは現在も地元の中学校で毎年平和授業を行っているそうです。
おばあさんへのインタビューを通して、十代の篠永さんが感じた素直な想いが伝わるすばらしいスピーチに、参加者の皆さんが心を打たれている様子が見て取れました。
 

〈3人目〉特攻隊の出撃するまちで〜若者が見た陸軍飛行場と空襲〜

 

目達原飛行場佐賀県)で100名近くの方に戦時中の体験談の聞き取りをした福岡幸博さん。
今回は、同飛行場で空襲を体験されたご親族のお話しとともに、飛行場の成り立ちや特攻隊についてなどを、詳細な地図や画像を混じえてご紹介くださいました。
非常に丁寧かつ綿密な調査内容で、テレビの特集番組を見ているかのようなスピーチでした!
 

3人のお話しに対する質問・感想

・(戦争を体験した親族が、敵国であったアメリカや日本の政府など)誰かを憎いといった感情を持っていないことを話し手はどのように解釈したのか?
・これまで、親族の戦争体験を聴く機会はどのくらいあったのか?
・自分も戦争体験を持つ家族がいるので、これから聴いてみたいと思った。
・親族に戦争体験を聴くにあたり、うまく話を引き出すコツや工夫したことはあるか?
・戦争体験者が少なくなる中、私たちが直接話しを聴くことのできる最後の世代だと感じた。
など

3人のお話しを聴き、聞き手の皆さんがご自身の親族に戦争体験を聴いてみたいと思っていただけたと感じました。

継承カフェの取り組みについて・今後の継承活動について感じたこと

・(ノンフィクション作家の保阪正康さんによると)戦争体験の継承には三段階ある。一段回目は直接体験者による継承。二段階目はその子供や孫世代による継承。継承カフェの活動はまさにこれにあたり、大切なことだと思った。三段階目は体験を切り離して歴史化すること、戦争を起こさないためにどうしたらいいかということだが、一足飛びにはその段階にはいかないので、今回のような取り組みは大変意義があると感じた。
・戦争の直接体験者でない若い人たちのスピーチを聴いて、とても新鮮だったし、心に響いた。
・絵や映像などビジュアル化した継承活動はどうか。
・長野県で行われている活動に演劇がある。戦争体験の聞き取りをし、それを脚本に起こして演じるという形式。

全体を通して

今回の参加者は20名でした。10代から70代の方まで、多様な世代の方々にご参加いただき、スタッフ一同感謝しております。

本イベントに参加してくださった方々の満足度は、これまで同様高く、90%以上の方に「満足した」「ある程度満足した」とアンケートにて回答いただきました。
 
全体の様子

今回の報告は以上となります。

history for peaceでは、今後も本イベントを継続していきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

【聞き手募集】継承カフェ 夏休み&終戦記念日スペシャル 〜身近な人の戦争体験をシェアしてみよう〜

「戦時中、おじいちゃんは飛行機のパイロットだったそうです」
「おばあちゃんは空襲を逃げ延びたと言っていました」
「戦死したおじさんについて調べていたら、こんなことがわかりました」

いろんな人が親族から聞いたり、調べたりした戦争体験を聞いてみませんか?

戦後76年を迎えた現在、戦争体験者から直接お話しを聞く機会は年々減っています。
当事者がいなくなる日が近づいている今、戦争体験を継承していくために私たちにできることはなんでしょう?

history for peaceは、亡くなった親族から聞いた戦争の記憶や、自分たちで調査した先祖の軍歴について話し合う場を設け、これからの継承活動を模索しています。
※過去のイベント詳細はこちらをご覧ください。

 
今回は、終戦記念日に合わせた特別版として、10〜20代の皆さんが聞いた(調べた)、ご家族の戦争体験をお聴きするイベントを開催したいと思います。
 


 

【開催概要】 

 

  • 日時:2021年8月14日(土)19:00~21:30
  • 場所:オンライン(Zoom)
  • 参加費:無料
  • 対象者:Zoomが使用可能な環境にあり、戦争体験を聴いてみたい方
  • 定員:20名
  • 主催:history for peace
 

【申し込み】

以下のフォームからお申込みをお願いします。

 

URL: https://bit.ly/HfP-2021-Summer

 

※お申し込み後、5分経っても自動返信メールが届かない場合は、historyforpeace@gmail.com までご連絡くださいicloud.comへは送信できない場合があります)

 

【参加方法】

(1)申し込み完了後、自動返信メールが届きます。

(2)当日、時間になりましたら、Zoom会議にご参加ください。(開始5分前より順次参加承認します)

 

【当日の内容】

(1)プレゼンターによるお話しと、質疑応答がセットになったセッションを3回繰り返します。今回はプレゼンターは3名です。

(2)話を聞いての感想の共有や、プレゼンターへの追加の質問を行います。参加人数によってはグループに分かれます。

(3)今後の戦争体験継承のあり方や課題、その他感じたことを話し合います。

   

※閉会後、30分間程度フリートークの時間を設けますので、時間内に話しきれなかったこともぜひお話しください(参加、退出自由)

 

【お話しの内容】

<1>13歳の被爆体験〜祖母からの聞き取りでわかったこと〜

13歳当時に広島で被爆した祖母はもう89歳となりました。今回は辛い記憶を蘇らせてしまう心配をよそに、様々な質問に答えてくれました。被爆前の生活や被爆直後の光景、戦後まで続いた差別の話はどれも新鮮で、そして何より祖母と濃密なコミュニケーションを取れたことが1番の収穫でした。祖母の壮絶な被爆体験と共に、「聞き取り」そのものについて、私の経験をお話ししたいと思います。
 

 <2>父と永遠の別れになった満州からの引き揚げ―祖母の体験した壮絶な終戦

戦後―終戦まで日本が支配していた中国東北部満州」。1945年8月9日未明、突如ソ連軍が侵攻してきました。当時まだ幼かった祖母。軍人だった祖母の父はソ連軍に連行され、その時が永遠の別れとなってしまいました。さらに終戦から半年後、ようやく日本に帰った祖母の家族を待っていたのは、居住地を転々とせざるを得ない厳しい生活でした。祖母の家族の終戦と戦後、そして平和の大切さを訴え続ける祖母の活動について、お話ししたいと思います。

<3>特攻隊の出撃するまちで~若者が見た陸軍飛行場と空襲~

旧陸軍の大刀洗陸軍飛行学校(福岡県)の分校に、目達原(めたばる)飛行場(佐賀県)がありました。県内の方々総出で造成し、最初は少年飛行兵の訓練を行っていましたが、戦況が悪くなり、特攻隊も出撃していた飛行場です。祖父の兄弟は戦時中その飛行場で空襲に遭遇。実地調査や多くの人への聞き取り内容も交え、飛行場について、そして親族の体験をお話しします。

※今後追加予定

質問は随時、historyforpeace@gmail.comにて受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

※こちらは聞き手(一般参加者)の募集要項となります。

  

<申し込みフォーム>

URL: https://bit.ly/HfP-2021-Summer

 

 

【お問い合わせ】

history for peace

E-mail: historyforpeace@gmail.com

HP: http://historyforpeace.org/

Twitter: https://twitter.com/historyforpeace
 
 

【話し手募集】継承カフェ 夏休み&終戦記念日スペシャル 〜身近な人の戦争体験をシェアしてみよう〜(2021年8月14日開催)

おじいさん、おばあさん、ひいおじいさんなど、あなたの身近に戦争体験を持っている方はいませんか?

戦後76年を迎えた現在、戦争体験者から直接お話しを聞く機会は年々減っています。
当事者がいなくなる日が近づいている今、戦争体験を継承していくために私たちにできることはなんでしょう?

history for peaceは、親族から聞いた戦争の記憶や、自分たちで調査した先祖の軍歴について話し合う場を設け、これからの継承活動を模索しています。
※過去のイベント詳細はこちらをご覧ください。

 
今回は、終戦記念日に合わせた特別版として、10〜20代の皆さんに話し手になっていただくイベントを開催したいと思います。

・戦争を体験した家族がいるが、詳しく話を聞いたことがない。
・家族の戦争体験を聞いてみたいとは思っていたけれど、きっかけがなかった。
・自分が聞いた話を色々な人と共有してみたい。
・夏休みの自由課題として家族の戦争体験をまとめたい。
 
そんなあなたをhistory for peaceがサポートします。
戦争体験を持つ方へのインタビューの仕方、スライドのまとめ方、皆さんの前での話し方などのテンプレートをご用意しますので、それに沿って準備、発表をしてみましょう。
 
以下は、スタッフによる発表例です。(動画を再生してください)

 


 

 

【開催概要】 

 

  • 日時:2021年8月14日(土)19:00~21:30
  • 場所:オンライン(Zoom)
  • 参加費:無料
  • 対象者:Zoomが使用可能な環境にあり、おじいさんやおばあさんなどの戦争体験を皆さんにお話してみたい方(今回は20代までの方の募集になります)
  • 事前打ち合わせ:1回程度(日時は追ってご連絡します)
  • 募集人数:10名程度(話し手)
  • 主催:history for peace
 

【申し込み】

以下のフォームからお申込みをお願いします。

 

URL: https://bit.ly/HfP-apply-speaker-2021-summer

 

 

【参加方法】

  1. 申し込み完了後、3日以内に返信メールをお送りしますので、ご確認・ご対応をお願い致します。メールアドレスに間違いがあると届きませんので、フォーム送信時によくご確認ください。
  2. 戦争体験を持つ方へのインタビューの仕方、スライドのまとめ方、発表の方法などのテンプレートに沿ってイベントの準備をお願いします。
  3. イベント前に打ち合わせを兼ねた簡単な説明会を行います(Zoom)
  4. イベント当日、スタッフの指示に従ってあなたの聞いた戦争体験を発表してください(Zoom)

 

【当日の内容】

 

  1. イベント概要の説明の後、2〜3グループに分かれます。それぞれのグループで一人目の話し手に20分程度で戦争体験を発表いただきます。その後、質疑応答の時間を設けます(前半)
  2. グループを再編成し、前半と同じように二人目の話し手の発表、質疑応答を行います(後半)
  3. 休憩
  4. 感想・今後の戦争体験継承の課題・その他感じたことを話し合います。
  5. 閉会  

 

※閉会後、30分間程度フリートークの時間を設けますので、時間内に話しきれなかったこともぜひお話しください(参加、退出自由)

 

質問は随時、historyforpeace@gmail.comにて受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

※聞き手の募集は後日いたします。こちらは話し手の募集要項となります。

  

<申し込みフォーム>

URL: https://bit.ly/HfP-apply-speaker-2021-summer

 

 

【お問い合わせ】

history for peace

E-mail: historyforpeace@gmail.com

HP: http://historyforpeace.org/

Twitter: https://twitter.com/historyforpeace

【開催報告】継承カフェ〜みんなが聴いた戦争体験〜Vol.4

これまでに3回、「オンラインで話してみよう〜みんなが“聞いた“戦争体験」を開催したところ、大変好評だったため、去る5月2日(日)、第4回を開催しました。加えて、第4回からイベント名を変更し、「継承カフェ〜みんなが聴いた戦争体験〜」としました。

 


本イベントは、前回と同様、全参加者で第一部、第二部合わせて2名のお話を伺いました。お話のテーマは以下の通りです。

〈第一部〉語られなかった戦争証言ー広島で被爆した母のことー

〈第二部〉「慰安婦」問題を知っていますか?ーインドネシアスラウェシ島のおばあさんたちを訪ねてー


今回の参加者は20名でした。前回より、学生が少なく、20代から70代の方まで、多様な世代の方々が多くご参加いただきました。

また、今回のブログでは、第一部と第二部の内容をまとめたものを、皆様にお届けしたいと思います。

第一部では、大牟田聡さんから、自身の祖母と母の語られることはなかった広島での被爆の戦争証言を語っていただきました。被爆を体験した祖母と、その祖母から生まれた母は、被曝に関すること、被爆者への差別や結婚・出産への不安などは、語ることはありませんでした。また、息子である大牟田さん自身、「これは触れない方がいい」と思ったこと、そして祖母と母を苦しめた核への憎しみが、ふつふつとこみ上がったそうです。これらを大牟田さんは、誰か一人でも、伝わればいいと願いを込め、記者として発信をされてきたそうです。




第二部では蒔田直子さんから、慰安婦に関するお話をしていただきました。蒔田さんは、韓国だけではなく、アジア各国の性奴隷にされてきた女性たちに会いに行かれました。性暴力によって人間としての尊厳を汚された女性たちに心からの謝罪を求め、活動をしています。「慰安婦」問題は、政治や国だけの問題ではなく、その時代に生きた女性たちの人生、そして人としての人権に対する問題であると語っていただきました。戦時の性暴力は、性欲を満たすためばかりではなく、戦争の道具であり、この「慰安婦」の問題は決して他人事ではありません。




そして、本イベントでは、質疑応答や感想を第一部第二部後、20分ずつ交わし合うといった時間を設けました。質疑応答や感想の一部を紹介したいと思います。

第一部で、ご質問が多かったのは、

「当事者意識を持ってもらうにはどうしたらいいのか?」
「若い人に伝えるにはどうしたらいいのか」

というような意識に関する質問が多く寄せられました。

大牟田さんの答えとしては、「一緒に学ぶことで、何も知らないよりは全然いい」また「千人に一人でも、伝わればいい」と回答していただきました。

第二部の質疑応答や感想では、

「改めて、この問題に対する意識や考え方が変わった」
「当時襲われたのは、幼い少女たちだったということにショッキングだった」

というようなご感想が寄せられました。

蒔田さんは、「一人一人の尊厳ある女性たちへの心からの謝罪を求めており、裁判を起こして、日本の政府のように慰謝料で済まされていい問題ではない」といった回答をしていただきました。

本イベントに参加してくださった方々の満足度は、前回同様高く、多くが「満足した」「ある程度満足した」とアンケートにて回答いただきました。

以下は、アンケートから一部感想を抜粋して紹介します。

〈感想〉

・私が教員を目指し、平和教育について大学四年間で考えていくにあたり、貴重な、非常に価値のある時間でした。お話してくださったお二人はもちろん、企画してくださったhistory for peaceの皆さんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。無駄にせず、未来の子供たちと平和を作ります。

・オンラインで様々な地域に住む方と歴史学習を通して交流できるのは非常に貴重な機会だと思いました。またぜひ参加させていただきたいです。

・今回、蒔田さんのお話を聞きたいと思い参加しました。インドネシアでも、そしてフィリピンや他の多くの国でも慰安婦問題があったことを知り、韓国だけではない話なのだと初めて気付きました。一人一人のお婆さんへの聞き取りは、とてもつらい仕事だったと思います。それを私達へ伝えてくださったことを、感謝します。

・その当時少女だった女性が、その後どのように人生を歩んでいったのか、話を聞くだけでも大変つらく、想像するだけで胸がつかえました。でも、そのような苦しみを抱えて生きている人の側で、少しでも支えられる人になりたいと、改めて自分の思いを確認することができました。

今回の報告は以上となります。

history for peaceでは、今後も本イベントを継続していきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 

【満員御礼】継承カフェ~みんなが聴いた戦争体験~Vol.4(2021年5月2日開催)

※本イベントは定員に達したため、受付を終了させて頂きました。たくさんのお申込みどうもありがとうございました。

 

「戦時中、おじいちゃんは飛行機のパイロットだったそうです」

「おばあちゃんは空襲を逃げ延びたと言っていました」

「戦死したおじさんについて調べていたら、こんなことがわかりました」

 

いろんな人が親族から聞いたり、調べたりした戦争体験を聞いてみませんか?

戦後76年を迎えた現在、戦争体験者から直接お話しを聞く機会は年々減っています。

当事者がいなくなる日が近づいている今、戦争体験を継承していくために私たちにできることはなんでしょう?

history for peaceでは、亡くなった親族から聞いた戦争の記憶や、自分たちで調査した先祖の軍歴について話し合う場を設け、これからの継承活動を模索していきます。

今回は、当団体のイベント初登壇となる二名のスピーカー様をお呼びしていますので、初めて参加される方も、以前参加してくださった方も、奮ってご参加ください!

 

※本イベントは、これまで3回開催した「オンラインで話してみよう~みんなが“聞いた”戦争体験~」と同内容になります。

 

※前回の報告はこちらからhttps://historyforpeacestaff.blogspot.com/2021/04/vol32021321.html

 

 

前回の様子

 

 

 

【開催概要】 

日時:2021年5月2日(日)19:00~21:30

場所:オンライン(Zoom)

参加費:無料

対象者:Zoomが使用可能な環境にあり、様々な戦争体験を聞いてみたい方

主催:history for peace

 

【内容】

 (1)イベント概要の説明の後、一人目(前半)の戦争体験を聴きます。質疑応答の時間もあります。

(2)途中、休憩を挟み、二人目(後半)の戦争体験を聴きます。

(3)最後に全体で感想・今後の戦争体験継承の課題・その他感じたことを話し合います。

※21時より30分間、フリートークの時間があります。時間内に話しきれなかったこともぜひお話しください(参加、退出自由)

 

【お話の内容】

 今回は第一部・第二部に分け、2名の方にお話しいただきます。

 

<第一部> 語られなかった戦争証言――広島で被爆した母のこと

14歳で被爆した母は、被爆体験をほとんど語らずに昨夏この世を去りました。何故彼女は語らなかったのでしょう。私は、あらゆる災厄について、記憶の「風化」は免れないと考えています。結局問われるのは、当事者の証言を聴いたり読んだりする側なのではないでしょうか。辛い記憶や、あるいはついに語られなかった証言に耳を傾ける意味を考えてみたいと思います。

 

<第二部>「慰安婦」問題を知っていますか?――インドネシアスラウェシ島 のおばあさんたちを訪ねて

日本軍「慰安婦」問題は、戦時性暴力と人間の尊厳に関わり、現在の日本社会が 抱える女性への暴力の問題にも通底しています。私は仲間たちと、2003年から韓 国、台湾、フィリピンなどの被害女性を招き、また現地を訪ね、その証言を聴い てきました。多くの被害者がすでに亡くなりましたが、昨年訪ねたインドネシア で出会った生存者のおばあさんたちの声を、ぜひお伝えしたいと思います。

 

お話のあとには質疑応答の時間もあります。自由に意見交換してください。

 

【申し込み】

※お申し込みは締め切りました

以下のフォームからお申込みをお願いします。

URL: http://bit.ly/HfP-online-event-vol4-20210502

※お申込み後5分経っても自動返信メールが届かない場合は、historyforpeace@gmail.com までご連絡ください。(icloud.comへは送信できないことがあります)

 

 【参加方法】

 (1)申し込み完了後、自動返信メールが届きます。

(2)当日、時間になりましたら、Zoom会議にご参加ください。

 

皆様のご参加をお待ちしております。

 

【お問い合わせ】

history for peace

E-mail: historyforpeace@gmail.com

HP: http://historyforpeace.org/

Twitter: https://twitter.com/historyforpeace